近年、当校にお問い合わせいただく方々から「仕事と子育てをしながらでもMBAは取れますか?」というご質問をいただくことが増えてきています。ビジネスキャリアのなかでスキルアップを考える時期と人生のステージにおいて出産・育児を行う時期は重なることも多いため、同じような悩みを抱えている方は多いのではないかと思います。
そこで今回、実際に仕事と子育てを両立しながらMBAを取得された修了生の方へのインタビューを実施いたしました。MBA取得のきっかけをはじめとして、学びはじめる前の不安や葛藤、そしてそれをどう乗り越えてこられたのか、また在学中の一日のスケジュールやご家族の支え、MBA取得後に起こった変化などなど、たくさんのお話をお伺いすることができました。同じような環境でMBA取得を考えられている方にとって非常に参考になるお話ですので、ぜひご一読いただければ幸いです。
猪股真由さん|医療機器・医薬品メーカー/マーケティング職

当校入学時点での家族構成を教えてください。
入学当初は夫婦二人でした。在学中に第一子を出産しました。
MBAを取得しようと思ったきっかけは何でしたか?
これまで私は、主に営業畑でキャリアを積んできました。
年次を重ねるにつれて「このまま行くと、ずっと営業の一本道を進むことになる」と感じておりました。
その一方で、子どもを持つ未来も考えていて、ライフイベントが増えていくなかでも、無理なく続けられる働き方や、もう少し視座を高めた職種にシフトしたいという思いも強くなっていました。
過去の営業経験だけに頼ってしまうと、どうしても「営業の文脈から抜け出しにくい」からこそ、どこでも通用するような「ビジネスの武器」が必要だと感じました。
そこで候補にあがったのがMBAでした。
ただ、最初は本当に「自分には関係ない世界」だと思っていて、目に入らないふりをしていたくらいです。しかし調べれば調べるほど、MBAは特別な人のためのとても高い壁ではなく、むしろビジネスを体系的に学ぶための「共通言語」や「運転免許証」みたいなものなのかもしれない、と思うようになりました。
「営業で培ってきた現場の感覚にもう一段上の視点と理論を重ねれば、きっと未来の選択肢が広がるはず!」その感覚が最後の後押しになって入学を決めました。
入学前、仕事や子育てとの両立に不安はありましたか?
またその不安をどう乗り越えましたか?
不安はありました。
当時は結婚したばかりで、一人暮らしの頃のように自分の意志だけで自由に時間を使うことができなくなっていました。さらに、残業の多い仕事をしていたこともあり、MBAのための学習時間を本当に確保できるのだろうか?という心配はかなりありました。
加えて、在学中に出産する可能性もあったので、「本当に大丈夫なのかな?」と入学直前まで自分に何度も問い直していました。正直、迷いながらのスタートでした。
不安の乗り越え方ですが、まず主人に自分の思いをすべて話し、理解を得るところから始めました。主人はとても温かく応援してくれて、最後には私の「MBA頑張るぞ!宣言動画」の撮影までしてくれて、しっかり気合も入れてくれました(笑)。
夫婦で気持ちを共有できたことで、自然と不安よりも「やってみよう」という気持ちが強くなりました。
在学中の1日のスケジュールや1週間の過ごし方を教えてください。
土曜日に授業があったので、基本的には 「平日で準備を終える」 というスタイルを徹底していました。そして大きなポイントは、日曜日を「あえて期待しない日」にすることです。
幸い私は朝に強いタイプで、妊娠中はさらに朝型が加速しました(笑)。
そこで、学習はすべて朝にまとめて進めるというルールを作りました。
具体的には、平日の朝に課題を進め、夜は絶対にやらない、土曜日は授業に集中し、日曜日は完全にオフ(家事・休息・家族時間)というリズムで過ごしていました。
「日曜で挽回しよう」と思うと心理的に楽な反面、実際には思うようには進まない事は過去の経験で分かっていたので、「朝になんとしてでも終わらせる!」を徹底したのが、結果的に良かったです。
そしてもう一つ大事にしていたのは、体調が優れない日の朝に全く勉強が手がつかなくても、絶対に「自分を責めないこと」です。
時間が限られていたからこそ、自分の得意な時間帯に合わせてリズムを固定することが大事だったと思います。
ご家族(パートナー・お子さん)との関係やサポート体制はどのようなものでしたか?
主人は、私が心折れそうになるたびに、あの「MBA頑張るぞ!宣言動画」を見せて励ましてくれたり、私の好きなスイーツを買ってきてくれたりと、本当に絶大なサポートをしてくれました。
さらに、主人の得意分野の授業期間には、自身の経験を惜しみなくレクチャーしてくれて、学びの面でも大きな助けになりました。
子どもは当時おなかの中にいて、かなり脚力の強い子でした。食事をするたびに全力でキックをしてくれて、そのたびに命の尊さを感じさせてくれる一方で、もれなく吐き悪阻も経験させてくれました(笑)。
家族の存在は、学びの時間を作る意味を強く実感させてくれましたし、何より「一緒に乗り越えている」という気持ちが、私の支えになっていました。
忙しい中でも学びを継続するために工夫したことや習慣はありますか?
私の場合は、とにかく 朝に全振りすることでした。朝は自分にとって一番集中できる時間帯だったので、学習はすべて朝にまとめて取り組み、夜は一切やらないと決めていました。
また、日曜日はあえて勉強を当てにしない日にして、気持ちの余裕をつくるようにしました。妊娠中は体調が読めない日もありましたが、できない日は無理をせず、自分を責めないことも徹底していました。
忙しいからこそ、気合ではなく「自分のリズムに合わせて淡々と続けること」を大切にしていました。
学んでいて特に印象的だった課目・テーマや授業はありますか?またその理由は?
特に印象的だったのは、最初に受けたマーケティングの授業です。
当時はまだマーケティング専任ではなかったのですが、授業内容が仕事にそのままつながるもので「ビジネスを体系的に理解する」という感覚を初めて持てた瞬間でした!
そして不思議なことに、この授業を経て、現在は実際にマーケティング専任職として働いています。そのような意味でも、とても感慨深い科目です。
実務や子育てにすぐに役立った学びがあれば教えてください。
実務で特に役立っているのは「引用元や情報源を必ず確認する習慣」が身についたことです。
MBAでは、レポートでもディスカッションでもどの情報を根拠にしているのかを常に問われるので、情報の信頼性を見極める癖がつきました。
この習慣は今のマーケティング実務でも大きく活きていて、数字やデータを見るときに根拠を丁寧にたどるようになったことで、資料の質や意思決定の精度が上がったと感じています。
子育て系の情報収集も同様で、ネットの噂だけに振り回されず、一次情報を確認する姿勢が自然に身につきました。
学習を通して、ご自身の考え方や価値観にどんな変化がありましたか?
1つは、一次情報を大切にする姿勢が自然と身についたことです。
何かを判断するときに、噂や印象ではなく根拠となる情報に立ち返る習慣ができ、物事を落ち着いて整理できるようになりました。
もう1つは、「なんとかなる」という感覚を持てるようになったことです。
仕事・学業・妊娠と、状況だけ見れば大変なのですが、工夫しながら続けていくうちに、「できる範囲で積み重ねれば前に進める」という前向きさが育ちました。
この2つは、今の働き方にも、子育てにも、日々の生活にも大きく影響しています。
学びの中で「最も大変だったこと」と「それをどう乗り越えたか」を教えてください。
最も大変だったのは、毎月のアサインメントへの対応でした。
周囲の学生と比べると私自身は社会人経験が浅く、しかも営業がメインのキャリアだったため、課題に求められる 視点や視座に切り替えること が当初はとても難しく感じていました。
乗り越えるために意識していたのは、「いきなり完璧を目指さない」 ということです。まずは自分の経験に引き寄せて考え、それを徐々にビジネス全体の視点へ広げていきました。
大変ではありましたが、振り返るとこの課題を積み重ねたことで、営業の視点に偏らないより広いビジネス感覚が身についたと思います。
モチベーションが下がったとき、どのように気持ちを切り替えましたか?
正直に言うと、自分の履歴書に「MBA」と書かれて、いつか希望する職種に就ける日のことをよく想像していました(笑)。
大変な時期ほど、「この努力がいつか自分の選択肢を広げてくれるはず」と考えることで、自然と前向きな気持ちを取り戻すことができました。自分の未来を少しだけ先取りして思い描くことが、いちばんの原動力だったと思います。
同期や講師との交流で印象に残っているエピソードはありますか?
同期の中に、偶然同い年の方がいました。
その方は向上心が強く、英語にも堪能で、最初からとても強い印象を受けました。
お互いすぐに打ち解け、課題や授業の情報交換をしたり、励まし合ったり、それぞれの得意分野で助け合ったりしながら学びを進めました。
大変な時期も一緒に乗り越えたこともあり、今でも大切な友人としてつながっています。
他の受講生から刺激を受けた経験はありますか?
特に印象的だったのは、1期上の先輩から受けた刺激です。
その方は技術職でありながらMBA取得を目指されていて、さらにコミュニケーション力も高く、「この方がMBAまで取ったら、本当に鬼に金棒だな」と感じるほど尊敬していました。
実際にその先輩は無事にMBAを取得され、その後は希望されていた転職も実現されました。目の前でそのプロセスを見ていたことが、自分自身にとって大きな励みになりましたし、「自分も頑張ろう」と思わせてくれる存在でした。
MBAを修了して、どんな変化がありましたか?
(キャリア、思考、家族への影響など)
MBAを修了して感じた一番の変化は、キャリアの選択肢が確実に広がったことです。
営業中心のキャリアからマーケティング専任へと転換できたのは、間違いなくMBAでの学びがあったからだと思っています。
思考面では、物事を構造的に整理して考えることが自然と身につき、以前より落ち着いて判断できるようになりました。「一次情報に立ち返る」「根拠を確認する」という姿勢も、そのまま今の実務に活きています。
家族面では、妊娠・出産と並行して学び続けたことで、「完璧でなくていい」 という考え方が自然に定着しました。「できる範囲で積み重ねれば前に進める」という感覚が育ったことで、育児のプレッシャーもかなり軽くなりました!
劇的に何かが変わったというより、「少しずつ人生の幅が広がっていくような変化」があったと感じています。
修了後、周囲の反応や評価で印象的だったことは?
正直に言うと、劇的に何か言われたわけではありません。
ただ、それが逆に自然で良かったとも感じています。
MBAを取ったからといって急に扱われ方が変わるわけではなく、いつもの仕事の中で少しずつ解像度が上がる程度でした。
大きなリアクションより、日々の仕事の中で「じわっと効いてくるような変化」が、むしろ自分にとっては心地よかったです。
今後の目標やビジョンがあれば教えてください。
これからの目標は、自分に少しストレッチをかけながら、でも無理のないバランスで働き続けることです。
MBAを通して身につけた思考の整理や一次情報を大切にする姿勢を活かしつつ、専門性を少しずつ深めていきたいと思っています。
仕事でも成長したいですし、家族との時間も大切にしたいです。
そのために、「自分のリズムを崩さずにやりたいことへ挑戦する」そんな「持続可能なキャリアの伸ばし方」を目指しています。
急に大きなことを成し遂げたいわけではなく、自分のペースで前に進み続けることが、これからのビジョンです。
「仕事と子育てをしながらMBAなんて無理かも…」と感じている女性に伝えたいことはありますか?
まず、無理だと思って当然です。私も最初は不安しかありませんでした。
実際にやってみて感じたのは、自分の強みを活かせば「なんとかなる」ということです。
子育ても仕事もある中でのMBAは、気合や根性では続きません。
「許容される範囲で自分のペースでやること」「得意な時間帯に寄せること」「できない日は自分を責めないこと」私の場合はこの3つが何より大事でした。
そしてもう一つ。あなたの一歩が、あなたの未来を静かに動かします。
他の誰かと比べなくていいんです。
「学んでみたい」という気持ちが少しでもあるなら、その気持ちだけでもうスタートラインに立っています。
振り返って「やってよかった」と思える瞬間はどんな時でしたか?
少し現実的な話になりますが、現在のマーケティング職への転職の際、マーケティング専任としての経験は浅かったにもかかわらず、書類選考で落ちることがほとんどなかったことです。
営業ベースのキャリアからの転換だったので、本来であればハードルがあるはずなのですが、MBAで体系的に学んだことを一定の評価をいただけ、基本的には面接まで進むことができました。
自分の可能性が広がっていく実感があり、そのとき初めて「本当にやってよかった」と心から思いました。
最後に、未来の後輩に一言お願いします。
忙しさや不安があっても、自分のリズムで進めば、必ず「なんとかなる」瞬間が来ます。
迷っている方には、ぜひ一歩踏み出してみてほしいです。
あなたの未来を変えられるのは、あなたの一歩だけです。
松山友恵さん|アパレル企業/マーケティング職

当校入学時点での家族構成を教えてください。
夫と第一子(3歳)の3人家族でした。第二子の出産を控えたタイミングで入学を決めました。
MBAを取得しようと思ったきっかけは何でしたか?
第二子の出産に伴い育休に入るタイミングで、「これまでのキャリアを一度見つめ直したい」と思ったことがきっかけでした。
長くマーケティングやPRの仕事に携わってきましたが、他業種を知らないまま歩んできた自分に対して、「本当にこの職種が自分に合っているのか」「今後どんなキャリアを築きたいのか」を改めて考えるようになりました。
その時、上司からMBAという学びの存在を教えてもらい、自分で調べていく中で、ビジネスに関する幅広い知識を理論的に学び直しこれまでの経験を体系化したいと感じました。
また、子育ても仕事もどちらも犠牲にせず、自分自身の軸を再構築したいという思いも後押しとなり、挑戦を決意しました。
夫と話し合い、共に育休を取得することで家庭を支え合う体制を整えたうえでExeJapanへの入学を決めました。
途中で出産時期が重なっていたため、対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド形式で授業が受けられること、週末に授業が集約されている点などが魅力で、子育てや体調に配慮しながら学び続けられる環境だと感じたのが理由です。
入学前、仕事や子育てとの両立に不安はありましたか?
またその不安をどう乗り越えましたか?
不安は大きかったです。
特に当時は第二子の出産を控えており、育児と学業を本当に両立できるのか、体力的に続けられるのかが一番の心配でした。
実際に入学してみると、ExeJapanではオンラインと対面を柔軟に選べる仕組みがあり、週末に授業が集約されていたことで家庭との調整がしやすく、思っていた以上に無理なく続けられました。
また、同じように仕事や家庭と両立しながら学ぶ仲間が多く、励まし合える環境が心の支えになりました。
在学中の1日のスケジュールや1週間の過ごし方を教えてください。
育休中は、育児と家事の合間に勉強時間を確保する生活でした。
午前中は上の子が幼稚園に通っている間に講義の復習や課題を進め、午後はお迎えや育児・家事に専念し、夜に子どもが寝静まってから再び勉強するというサイクルです。
平日は短いスキマ時間を積み重ね、週末1日の午後にまとまって授業を受けるスタイルでした。
授業が週末に集約されていたおかげで、家庭との時間を大切にしながらも学びに集中できました。
ご家族(パートナー・お子さん)との関係やサポート体制はどのようなものでしたか?
夫とは入学に合わせて共に1年間の育休を取得し、家事や育児を協力して分担する体制を作りました。
お互い予定を共有し、学びの時間を確保することで、とても心強いサポートになりました。
上の子には、「ママは今、お仕事の勉強をしているんだよ」と、理由や目標を共有し、理解してもらう環境を作るよう努めました。勉強以外の時間はできる限り子どもと向き合い、思い切り遊ぶようにして、家族との時間も大切にしていました。
忙しい中でも学びを継続するために工夫したことや習慣はありますか?
まとまった時間がなかなか取れなかったので、細切れの時間をどう活かすかを意識していました。
子どもを送った帰り道や、復職後は通勤時間など、10分でも1人の時間があれば、課題や論文の構成を考えたり、思いついたアイデアをスマホにメモしたりしていました。
また、夜は疲れてやる気が起きない日もありましたが、とりあえずPCを開くことを習慣にしていました。
開いてみると自然と進む日もあり、「完璧を目指さず、とにかく始める」ことで継続できていたと思います。
学んでいて特に印象的だった課目・テーマや授業はありますか?またその理由は?
特に印象的だったのはマーケティングの授業です。
これまで仕事の中で無意識に行っていた判断や施策が、理論として体系化され、実務と結びついて理解できた瞬間が多くありました。
授業内のケーススタディでは、業界や国を越えた多様な事例に触れることで、自分の視野が大きく広がりました。
「なぜこの企業は成功したのか」「自社ならどう応用できるか」を深く考える経験は、日々の仕事にも直結しました。
実務や子育てにすぐに役立った学びがあれば教えてください。
もっとも役立ったのは、物事を構造的に整理して考える力です。
マーケティングでもPRでも、膨大な情報の中から本質を見極め、優先順位をつける場面は多くあります。
MBAで学んだ思考法は、企画を考えるときや課題の整理、チームに説明する場面など、日常のさまざまな業務に役立ちました。
また、子育てにおいても、優先順位を付けてできることから進めるという考えが身につき、気持ちに余裕が持てるようになりました。
学習を通して、ご自身の考え方や価値観にどんな変化がありましたか?
すべて自分一人だけで頑張りすぎなくていいんだ、という価値観に変わりました。
育児も仕事も、すべてを完璧にこなそうとしてしまう癖があったのですが、MBAで多様なバックグラウンドの仲間と学ぶ中で、時には周囲に頼ることや協力することの大切さを実感しました。
また、経営の視点を学んだことで、物事をより俯瞰して捉えられるようになり、意思決定も以前よりスムーズになりました。
学びの中で「最も大変だったこと」と「それをどう乗り越えたか」を教えてください。
一番大変だったのは、出産・育児・学業が重なった時期の体力的な負担です。
授業に集中したくても、睡眠不足や産後の身体の変化で思うように進まない日もありました。
それでも続けられたのは、同じように両立している「共に学ぶ仲間の存在」や、「短時間でも進める」という意識のおかげです。
「今日は5分でもいいから前に進む」と決めることで、少しずつ積み重ねることができました。
同期や講師との交流で印象に残っているエピソードはありますか?
出産前後の時期に、クラスメイトから「無理しないでね」「できることがあれば言ってね」と声をかけてもらったことがとても印象に残っています。異なる業界・職種の仲間が、お互いに尊重しながら支え合う文化があり、その温かさが大きな励みでした。
講師の方々も、実務経験に基づいたリアルな視点でのフィードバックをくださり、視野が大きく広がりました。
他の受講生から刺激を受けた経験はありますか?
受講生はみな背景も環境も異なりながら、仕事や家庭と向き合い、それぞれのペースで学んでいました。
その姿勢に触れるたびに、「私も頑張ろう」と自然と気持ちが前向きになりました。
特に、忙しい中でも知的好奇心を忘れずに学び続ける姿勢は大きな刺激となり、私自身の学びを推し進める原動力にもなりました。
また、MBA取得後の今でも定期的にコミュニケーションを取り続けており、仲間から良い刺激をもらっています。
大人になってからも心を許して話せる友人ができたことは、私にとって何よりの財産です。
MBAを修了して、どんな変化がありましたか?
(キャリア、思考、家族への影響など)
最も大きな変化は、自分自身への自信です。
出産・育児の時期にMBAを修了できたことは、「どんな環境でも挑戦できる」という確かな感覚につながりました。
また、学びを通して物事を捉える視点が広がり、日々の業務でも落ち着いて整理しながら進められるようになったと感じています。
家族との関係でも、子どもたちに挑戦する姿を見せられたことは、将来につながる大きな意味のある経験になったと感じています。
修了後、周囲の反応や評価で印象的だったことは?
修了後に「やりきったね」と声をかけてもらえたり、実際に卒業証書を手にした時に、慌ただしい毎日の中で積み重ねてきた時間が間違っていなかったのだと、実感できました。
大きな成果を求めていたわけではありませんが、環境に向き合いながら続けてきたこと自体を評価してもらえたことが、とても嬉しかったです。
今後の目標やビジョンがあれば教えてください。
育児とキャリアのどちらかを諦めるのではなく、ライフステージに合わせて柔軟にキャリアを築いていきたいと考えています。
また、同じように子育てをしながらキャリアに挑戦したい女性に対して、何かしらの形で勇気を届けられる存在になれたら嬉しいです。
「仕事と子育てをしながらMBAなんて無理かも…」と感じている女性に伝えたいことはありますか?
「不安なのは当たり前だと思います。ただ、不安があることと挑戦できないことは同じではない」ということをお伝えしたいです。
私自身、最初から十分な準備ができていたわけではありませんが、できる範囲で少しずつ進めていく中で、自分なりのペースが見えてきました。
環境は人それぞれで、完璧である必要もありません。
大事なのは、誰かと比べるのではなく、自分の状況に合わせて進めていくことだと思います。
実際に私自身も、一歩ずつでも続けていくことで、少しずつ進んでいる実感を持てるようになりました。
振り返って「やってよかった」と思える瞬間はどんな時でしたか?
リモート授業で子どもが横にいる日もあれば、寝不足になりながら課題に取り組んだ日もありました。
それでも、ケンブリッジにある学校の卒業式に参加し、壇上で名前を呼ばれた瞬間、「あの時の決断は間違っていなかった」と心から思えました。
また、子どもから「ママ、がんばったね」と言ってもらえたことは、これ以上ないご褒美でした。
最後に、未来の後輩に一言お願いします。
環境や状況は人それぞれですが、自分のペースで向き合えば、続けられる方法はきっと見つかると思います。
私自身も、無理のない形で少しずつ進めることができました。
これから学びを考える方にも、自分に合ったタイミングで、納得できる選択ができることを願っています。
